「あ、姫華、また庭へ出ようとしたのか。姫ちゃんは少しだけ身体が弱いから、部屋で寝てなって言ったのに、もう、仕方ないな。姫華は」


「お兄様〜、おかえりなさーい」

「こら、姫華、走ると危ないぞ!姫ちゃんは身体が弱いって散々言われてるだろ?」

「はーい」

お兄様は10歳で、初等部5年生だった

親が過保護なのは今に始まったことではないけど


私は体が弱いため、庭への外出はあまり許されていなかった


お兄様は私を抱っこすると、応接間へ


客間にはたくさんの絵本があったから、まだそんなに平仮名が読めない私の代わりにお兄様が読み聞かせをしてくれた


お兄ちゃんなんて呼んだことはもちろんなくて

お兄様と客間で絵本を読んでると、中等部に通ってる梨々花お姉ちゃんが来た

「梨々花ちゃんだ〜」

「あ、姫ちゃん、こら走ったら転ぶよ」


梨々花ちゃんは、私を本当の妹みたいに接してくれるから大好きだ