「お前ら『浅比奈グループ』の社長はどこにいるか知らねぇか?」

この人たちはお父さんのことを恨んでるという裏社会の人だ

「旦那様は今出張でいません」

メイドの婆やが震えながら答えると、裏社会の人が舌打ちをした

「チッ、仕方ねぇ。」

その日は諦めたかと思ったのに、2週間後に家に帰ると親と家の中はめちゃくちゃに荒らされていた

「お兄様、どゆことよ。これ」

「俺にも分からない。帰ってきたら家の至るところがめちゃくちゃに荒らされてたんだ。あと、あまり使われていない部屋にしまってあったブランドもののアクセサリーが無くなってたんだ」

「そんな…」

私はハッとして自分の部屋を見に行ったけど、何も荒らされたりはしてなかった


「お兄様の部屋は大丈夫だったの?」

「あぁ、狙いは父さんだけだったみたいだ」


その後のことは覚えてないかな

でも気がついたら、梨々花ちゃんやお兄様と離れたことだけ


そして施設にいたこと、お兄様や親はどこかずっと探し回ったりもした

婆やですらどこへ行ってしまったのかも分からないまま私は中等部になった