「バイクってこんなに音が凄かったけ?」


私はぼそっと独り言呟いたつもりが鮎川くんにはしっかりと聞こえていたらしい

「なんでもないよ〜」

鮎川くんのお腹に腕を回して、背中に顔を埋めて呟いたけど、これでもしっかりと聞こえるんだ

凄いね


たどり着いたのはファミリーレストランだった

初めて来たかもしれない

(多分)

案内された席は6人がけの机だった


奥の方はソファで、手前の席は椅子だった

私はソファの方へ座った

というかソファの方へ誘導された


メニューを見てみると、どれも美味しそうで選ぶのが迷ってしまった


「好きなものでいいから選べ」

「お兄様は何するの?」

お兄様は私の右側に座っている