男子校のお姫様は総長に甘く迫られました

「あのね?少しだけ深刻な話していい?」

「んー?」

「僕ね?昔、親に虐待されてたことは知ってるよね?」

「うん、たまにうちの家まで避難してきた時もあったね」


私たちがまだ10歳くらいの時だったかな


突然家に来たかと思えば、向陽くん、身体中アザだらけで、幸いまだその時は親がいたから親と助けながら向陽くんを匿ったり慰めたりしたな


でもあの人たちにはすぐ居場所わかっちゃったもんね

「もう見切れない。向陽くんはあなた方のおもちゃじゃない」って私のお母さんとお父さんが泣きながら言ってたっけな


「それでね、僕は今新しくて優しい親に引き取られて、今は幸せなんだよね。ありがとね?しばらく会えなかったけど、またこうして会えることが出来て良かったよ」

そんなの私だって、あの時からずっと向陽くんのことは忘れたこともないよ