その一言を聞いただけなのに、私の心臓はこれまで以上にドクンっと跳ねた

いやいや、今日出会ったばかりの男の子だよ?


こんなすぐ恋に落ちるわけじゃないって!

私は何とか自分の気持ちを封じ込めて、これから入学式が行われるから、体育館へ移動する


私はこの4月から都会へと上京したから知ってる人なんていなくて、1人で体育館へと向かう

私立楓月(ふうげつ)高校は県内一の不良高校と言われてるからだろうか


なかなか入学式が始まらない


というかはじまってるけど、ヤジが飛び交ってる

(お父さん、お母さん聞いてください。私はとんでもない所へ来てしまったかもしれません)


この野次が収まったのは放課後になった時だった

入学式が終わり教室に戻ると、楓鈴という名前がついているらしいグループの男の子が話しかけてきた