=フユノサクラ①=




「みんなー、雪、本格的に降って来たよ!」


「わー、やっぱ、きれいだね」


ナツメロとクズコが市民センターの窓ガラスに顔を寄せて、うっすらと雪化粧した中庭を心ときめかせて眺めていると、コンボイがそこへ寄ってきた


「参ったなー、ラッセルとあいあい傘じゃあ、モロ傘からはみ出ちゃうな、はは…」


「仕方ねーだろ、デスオも雑食ギャル二人も反対方向だから、オレしかいねーよ。あいあい傘のお相手はよう…」


「アハハハ…」


***


一方、りゅーじんとマッキはテーブルでメモ類やデータのチェック作業をしている…


「じゃあ、マッキ、今日は雪だし、ざっとまとめて終わりにしようか?」


「うん。それでさ…、帰りはさ…」


「おお、家まで送ってくよ。やっぱ、心配だからな…」


「ありがとう…。それなら…、私の傘、コンボイに貸してもいいかな?」


「ああ、そうしろよ。徒歩区間はオレの傘に入って行きゃあいいし」


”やったー、りゅーじんと雪の夜道をあいあい傘で歩けるー”


マッキの心は躍っていた…。



***



「…いやー、わりーな、マッキ。ホントにいいのか?」


「コンボイ、気にしないで。りゅーじんには、家まで送ってもらえるから」


「ほ~、雪が舞う夜をあいあい傘か…。コンボイ、ここは遠慮なくマッキの好意に甘えとけよ」


「おお。じゃあ、りゅーじん、そういうことなんで、マッキ頼むぞー!」


「了解だ。まあ、今日はオレ達も早めに切り上げて帰るから。心配すんな」


「じゃあ、お先にー!お疲れ~」(りゅーじん&マッキを除く5人)


そして5人が市民センターを出て15分ほどして、りゅーじん&マッキは粉雪舞う帰路に起った…