フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー

=真冬の夜、桜が舞った⑦=



そのまま5分ほど歩くと、公園と桜並木に挟まれた、まっすぐな遊歩道に出た


すでに3人は傘をさして、横一線で並んで歩いている


相変わらず、雪は優しく静かに降っていた


”その舞い”は、見通しの良いまっすぐな遊歩道を照らす街燈でライトアップされていた


3人のその正面に広がっている視界…


それは、穏やかな西風が夜雪を運んでくるといった情景だった


だが…!


まっすぐの遊歩道を進む3人の目と心には、程なくそれが”雪”ではなくなった


***



空から降り落ちる雪粒は決して小さくなく、乾雪だったせいか、桜並木側からまさにその花びらが舞い散る様と重なったのだ


「私たちが今、目にしてるもの…。これって、真冬に舞う夜桜よね。まるで…」


クズコが感慨深げにそうつぶやいた


「本当ね…。真冬の桜か…、何か傘さすのがもったいないよね(苦笑)」


ナツメロはそう言って傘を畳むと、両脇のマッキとクズコも頭上を折りたたみの傘から解放した


フユノサクラ…❣

⛄~~

その”花びら”は地面に落ちた瞬間、姿を消してゆく


自分たちが歩くまっすぐの道に呑み込まれるかのように…


彼女らは、心なしか、自然と歩くスピードがダウンしていた


冬の桜の花びらが舞う中を、仲間と共に今、歩いている道が途切れることを拒む気持ちから…


***


マッキ達、雑草グループの女性陣3人は約15分かけて、集合時間をちょい遅れて公民館に到着した


「みんなー、ごめんね。私の都合で遅れちゃって…」


「おー!3人ともお疲れ。雪降ってきただろう。オレ、傘持って来てねーわ。アハハハ…」

マッキは、コンボイこの時の”後段”を聞き逃さなかった


”さー、今日の討論は残る3回で導く私達の結論を方向付ける、最重要過程になるわ…”


マッキは早くも”臨戦態勢”に入っていた


そして午後4時40分…


雑食グループ7人の第2回討論は始まった