フユノサクラー真冬の夜、恋の桜が舞ったー

=真冬の夜、桜が舞った⑥=



「マッキ…、私のこの前の騒動、持ちだしOKよ」


クズコはマッキの意を即察したようだ


「クズコ…、ナナボシ先生は学校側の対応って、表面的に繕うことを優先してしまうってこと、認識してるわ。それ、ちょっと違うんじゃないのって問題定義をさ、学校や先生に遠慮なしで議論していいって。そう言ってたわ」


「…」(クズコ&ナツメロ)


「…中学生の私たちが身を置くパブリティーをより良くする…、その観点で”バランス感覚”、”柔軟性”ってメンタリティを考えてみたらって、そんなレクチャーされたの」


二人は無言で頷いていた



***


ケータイショップは幸いなことに、かなり空いていて、ナツメロの待ち時間は数分ですんだ


どうやらウィルス感染ということで、ウィルス除去ソフトをショップの店員がインストールしてくれ、とりあえず解決となった


時間的にも30分かからず、マッキは店を出る前に、りゅーじんにメールを入れた


≪ナツメロのスマホ解決に付き、これから向かいます。幸通りからなんで4時半までには着くと思う≫


≪了解。こっちはちょうど3人に事前申し合わせ中なんで、そっちが到着次第、討論開始できるようにしとく≫


≪ありがとう、りゅーじん!≫


マッキはりゅーじんとのメールを端的に済ませ、3人は店を出ると…、外には雪が舞っていた…


***


「わー、ついに降ってきた…!」


まず、ナツメロが一声を発した


3人はほぼ同時に空を見上げ、その後、周囲をあちらこちら見回していた


やはり雨と違って、夜の雪を目にすると、どこか乙女心がときめくのものなのだろう


マッキたちはカバンから降りたたみの傘を手にしたが、すぐに傘を開くことをせず、そのまま並んで歩き出した…