=とりあえずとす…⑪=



家に着いたあと、末樹はこの日の出来事を母の直美に報告した


「そう…、末樹がグループの代表者をね…。大丈夫なの、例の巨漢コンビ二人がいるんでしょ?」


ラッセル&コンボイの重戦車コンビは、父兄の間でも”有名人”であった…


「他もさあ…、みんな、ひとクセふたクセって人達ばかりでね。いきなり押しつけられちゃったよ、私。だから、今言ったようにかくかくしかじかってことでね」


「はは…、まあ、アンタが先生を取り込むくらいしなきゃ、3月までずっと押しつけられ役だったわね。…お母さんも、そのくらいの気概を持ってる娘で安心だわ」


「お母さん…」


***


「だって、そんな乱暴者や曲者の子たちから責任者押しつけられて、非協力的でなら、言われるままの気弱な子じゃ全部抱え込んじゃう訳でしょ?」


”そうなるのか…、言われるままだったら。やっぱり…。今日の私は勢いに任せてクソって…、意地みたいなもんにすぎなかったけど…”


末樹はお茶を一口含みながら、そんな思いを頭に巡らせるのだった


そして、自然と横上流二の顔も脳裏に浮かんでいた…


***



「…その子、きっと、末樹がそんなことまで即行動できるなんて、想像してなかったんでしょうね」


”そう言われてみれば、彼…、私の態度に、ちょっとびっくりした表情だったかな”


「それで、その雑食系だか肉食系だかって…、どんな議論をして行くの?」


「それが、私もよくわかんないんだよね、まだ…。たぶん、メンバーみんなもそうだと思う」


「うふふ‥、末樹がどんな進行ぶりを発揮するか、楽しみになってきたわ。これからもいろいろ報告聞かせてね」


末樹の母直美は、”雑食系”の今後に、妙な関心を抱くのだった…


一方、娘の当事者・末樹は、”まずは、とりあえずとする…”と、気持ちを新たにしていた