職員室に到着すると、がやがやとしていた。
何も言わず、無断で入ると、たくさんの女子生徒と朝の体育科の先生二人がいた。
その中にみかんちゃんとまっちゃたんがいた。
「何をしているの!」
大声で言うと、先生がこちらに向かって歩いてきた。
「一年C組春風ミントか…あと、同じC組の雪城バニラとシュガー・ストロベリー、何の用だ」
体育科の塩田先生は、私たちより肩幅が広くて迫力があり怖い。
「みかんとまっちゃのチョコレートを返してください」
落ち着いた声で、シュガーちゃんが言う。
だが、そう簡単に返してくれない。
「こいつらはチョコレートを学校に持ってきた、だから回収しただけだ、返すわけないだろう。お前らも持ってきていないよな」
疑われるし、とっても怖い。
でも、二人が頑張って作ったチョコレートだから…回収なんてさせない。
「せんせ~、もうチョコレート…捨てちゃえばいいんじゃないの?」
一人の女子生徒が、二人の方を見て言った。
まっちゃたん、怖がっているみたい…今にも泣きそうだ。
みかんちゃんも…、私が助けなきゃ。
そう思っているのに、上手く声が出せない…。
「とにかく、早くチョコレートを返してください」
シュガーちゃんがせかすように言う。
その時、「やっぱりぃ、春風さんもチョコレート隠していたんだ~」
あの女子生徒が、私のカバンに隠していたチョコレートを見つけた。
チョコレート、雪城くんに渡せていないのに…。
いつの間にか、このチョコレートを雪城くんに絶対渡したいと思っている自分がいた。
「か、返してっ!」
チョコレートが…塩田先生に回収される。
そう思った時、勢いよく職員室のドアが開いた。