王子様が目の前にいるみたい……。
「お願い、します」
そう言うと、そっと指を絡めてくれた。
航夜くんの手、華奢なのに大きい。
やっぱり男の子なんだなぁ……。
ドキドキしながら天音ちゃんと蒼斗くんがいるお菓子のお店に着くと、入り口付近でふたりと合流できた。
「ふたりとも来た来た! って、手繋いじゃってなにかあったの?」
頬を緩ませて天音ちゃんがわたしたちを見る。
「こ、これは……っ」
恥ずかしくてパッと手を離してしまった。
繋いでくれたのにごめんね。
見られると意識しちゃうよ。
「えー? デートしてるみたいでよかったのに〜」
デート……?