これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「じょーだんって言葉ご存知?おねーさん」


「………」



おねーさんだなんて微塵も思ってないくせに…。


冗談が通じる女。
よしこれを今日から身につけよう。

……でも、どうやって?


なんて考えながら、私は三好くんが満足するまで抱きしめられ続けた。



「付き合った記念日とか?」



なんとか乗り越えたあと、くたっと力なく隣に座った私に肩をコツンとぶつけながら、三好くんは聞いてくる。

なんのこと…?と見つめた私に、説明が嫌いそうながらも教えてくれた。



「特別な日って言ってたから。そーいう記念日かなって」


「…勝吾くんが欲しがってたゲームをプレゼントする日、で」


「あー、誕生日?」


「………」



黙り込んでしまった私の意図をしばらくしてから理解したみたい。



「ほんっと、ゴミクズ」



その呼び方、実はちょっとだけ面白かったりする。

本当にその通りだね───クスリと笑った私に、三好くんは珍しくも温かな眼差しを向けてきた。



「見せて」


「え、」


「そのプレゼント。センパイが頑張ってバイト代から買ったなら褒めてやらなきゃ」