これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「なまいき」


「っ、あ、」



とろけるような声とは正反対の、攻撃。

背中から後頭部まで上ってきた手が、くしゃっと私の髪の毛をつぶした。



「みっ、みよしくんっ、勝吾くん、まだ学校にいるの…」


「だから?」


「もしかするとっ、探しに来ちゃうかもしれない、から…っ」


「それの何がだめ?」



スカートからはみ出た太ももが、撫でられる。


三好くんは、三好くんは。

いつからこんなふうに私のことを求めるようになったんだろう。


毎日のメッセージだけじゃなく、夜には電話がかかってくるようになって。

笑った顔、拗ねた顔、ちょっとだけ怒った顔。

そんなものを少しずつ見せてくれるようになった。



「前の俺たちみたいに実はどこかで見てるかもしれないでしょ。
いーからもっとくっついて。俺たちは浮気、してんだから」


「っ、」


「あ、興奮した?ねえセンパイ、」



さらっと耳を守りに入った髪の毛は、あっけなくも退かされる。



「───…それってヘンタイすぎ」