これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





でも本当の優しさって見返りを求めるものじゃないと私は思うから。

……っていう、精いっぱい。



「……もしかして居るのかな」



初めて三好くんの命令を断ってしまった。

ルールは彼が作ったものだから、三好くんがいちばん文句言えないとしても。


あのメールは、やっぱりちょっとだけ気になる。


屋上で何か私に伝えたいことがあったのかもしれない。

浮気している“ふり”をするだけじゃなく、寂しくなったときも利用するのが私たちの関係だから。



「…………」



カチ、カチ、カチ。

普段の賑やかな教室にはぜったい聞こえない時計の音。


私はスクールバッグを肩にかけて、教室を飛び出した。



「三好くん…!」



別にわざわざ呼ばなくてもいいというのに。

ここに居ようが居まいが、呼んだところで「はい三好くんです」と言ってくれるような子でもない。


勢いよく屋上のドアを開けて、私は開口一番、彼の名前を大きめに呼んだ。



「……あれ?ゴミクズ野郎と帰るんじゃないの」


「あっ、三好くん!」