これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「俺も着替えたら応援いってあげる」


「えっ、私……下手くそだよ?」



今のハチマキにたとえ三好パワーを込められて、応援にまで来てくれたとしても効果があるとは言えない。

むしろ三好くんのほうが話題になって大変そうだ。



「知ってるけど?」



と、べっと舌を出すように言ってきた。

それから保健室を出て体育館へ向かって、試合中は一生懸命ボールを追いかけた。



「うそっ、三好くんが来てる…!」


「こっち見てるよ!?ぜったい勝とう!?」



途中できゃあきゃあ騒ぎ出した女子たちの声に振り返っている余裕もなく。

ボールを追いかけるだけで今年の体育祭も終わりそうだったが、なんと奇跡的に触れた1回。


けれど結果は残念ながら負けてしまい、あとはダンス発表の生徒に懸けるしかない状況のなか、私はこっそりグラウンドとは反対方向へと足を進めた。



「……ちょっとだけ捻っちゃったかも…」



歩けないほどではないけれど、床に踵(かかと)を付けようとするたびに左足がズキズキと痛む。

念のため湿布だけでも貼っておいたほうがいいかもしれない。


と思って、あまり足を傷つけないようにゆっくりとまた保健室を目指した───とき。