「私が思うに三好 奈都ってさー。医者とか執事とかの正統派より、
わりと吸血鬼だったりサバゲーに行きそうな迷彩服にゴーグルだったりのイメージよね、完全に」
「さ、さばげー?」
「あー、いいの。桜乃は知らなくていーの」
ともちゃんのリアクションからするに、完成されすぎてため息しか出ないとは、このことなのだろう。
つまりは軍服を選んだことは、正解も正解中の大正解だと。
それはテレビでしか見たことがないような海外デザインの黒い軍人服に身をつつんで、頭には同じ色をした官帽。
着丈の長めなジャケット、腰に巻かれた太めのベルト、革製のブーツ、右肩から吊るされるように取り付けられた金色の飾緒(しょくお)。
着る人がこうだと仮装やコスプレだとは思えないほどの再現度になるらしい。
《生徒の皆さん!!とくに女子たち!仮装リレーを始めたいので静かにしてください!!》
グラウンドに響くアナウンスのなか、私は応援席にて佇んでいた。
───彼に何度か、抱きしめられてしまった。
まさかのここにきて実感するとは思わず、ぜんぶが上の空。



