これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





…ごめんね、ともちゃん。

ここでも正直には言えなかった。
本当はうしろ姿も見たことがある。


どちらにせよそれだけでも察してしまえるくらいのルックスということだけは。



「あれよ、あれ」



ともちゃんが指をさした先、グラウンドの一部に男子生徒たちの集いを発見する。


……見えない。

男の子たちのジャージ姿がぶわーっと集合体としてあるだけだ。



「ねえ俺さっきのバック走でビリ取った田中って言うんだけど!!見てくれた!?」


「ごめんね~、見てないんだあ」


「ぎゃははっ!セレナちゃんがお前なんか見るわけねーだろビリ田中!!」


「おい!変なあだ名つけんなっ」



すごい、囲われ過ぎてて見えないのがすごい…。


実際に改めてちゃんと聞いたことは無いけれど、“そうだこの声だ”というのが頭のなかには残っていた。

本当に男子生徒たちにとってはアイドルみたいな存在なんだ……。



「…三好くんは嫌じゃないのかな」


「そこはもうあれじゃない?信頼関係。お互い人気者だから、逆に良き理解者って感じで」