これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





セレナも本当はずっと分かっていたんだ。

自分が手にしたものは、外側だけを着飾ってはコーティングした、中身のない容器でしかなかったってこと。



「…俺も、ごめん」



逃げていた部分もあった。

どこか、セレナという存在に対して怯えていた部分があった。


セレナが俺を縛っていたんじゃなく、きっと実際は、俺からそうするように施したようなものだったのかもしれない。



「……鼻かむ。そこにあるティッシュ取って」


「ん」



それからしばらくして落ち着いたセレナは、俺が渡した箱ティッシュから何枚もガッサリと取ってから。



「ぶーーっ!」



と、遠慮なく鼻をかんだ。



「…ふっ」


「……なに」


「いや?」



飾りに飾りまくっている普段の高田 セレナとは似ても似つかない動作にさすがに笑ってしまうと、キッと睨んできた。

そして俺が持ってきたビニール袋を指さす。



「…それ、なにが入ってるの」


「ああ、セレナが好きなスナック菓子とかジュースとか。あとはお粥だったり」


「……たべる」