これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





いろんなひとを傷つけてしまって、ごめんなさい───、



「…セレナ」



ばかでごめんなさい、キモくてごめんなさい、ブスでごめんなさい、

きたなくてごめんなさい、びんぼうでごめんなさい、バイ菌でごめんなさい───、



「セレナ、言ったでしょ俺」


「うぅ…っ、あぁぁーーー…っ」


「わんぱんだの可愛さが分かる人間のどこがバイ菌なのって」



顔を覆っては泣きつづけるセレナの両手を掴んで、そっと引き剥がす。



「セレナの心は、あの頃も今も……優しくて綺麗だ」



心が人を作るんだ、心が優しさを作るんだ。

いつか髪は伸びて、肌は荒れて、声は変わって、顔立ちも変化するものだけど。


それでも心はずっと、変わらずそこにある。


心こそが、すべてなんだ。



「なつくんっ、なつくんっ」


「なに…?」


「ごめんねえ……っ、ごめんねえ…っ」



何度も何度も、セレナは繰り返した。

それは確かに俺に謝ってはいたけれど、なにより自分自身に対して謝っているものにも聞こえた。