これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





見せたいのがセレナだ。

誰かに見せて、その反応を楽しむのがセレナ。


だけどぜったい見せたくないものはあって。

それはこの整頓されていない部屋だとか、だいぶ築年数の経ったアパートだとか、過去の写真だとか。



「彼女の家に来てふたりなんだからさ~、襲いたいとか思わないわけ?」


「…熱はどれくらいあんの」


「ベッドだよ?こんなに可愛い彼女がいるんだよ?」


「食欲は?親は何時ごろ帰ってくんの」


「いいかげん次のステップ踏まないほうがおかしいのにさあ。実際あたしたちがキスすらしたことないって知ったら、みんなびっくりするよ?」


「これ、コンビニでいろいろ買っ───」


「ナツくん!!!」



普段は鼻にかけるような甘ったるい声を出しているセレナだけど、そうだ本当はこんな声だったと思い出す。


いつもボソボソと話していた小学生の頃は、周りの女子に比べて低めだった。



「なんで…?なんでそんな普通にするの…?」


「…普通って?」


「恨めばいいじゃないっ!!あたしのこと憐れだとか思ってんでしょ!?
本当はあたしのことなんか最初から嫌いだったくせに…!!」