これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





ともちゃんと伊武くんの姿を前にして、私も三好くんとそんな未来があったら…って、思ってしまった。


もしかしたら、あったのかもしれない。

どこかに、あったのかもしれない。



「───三好 奈都」


「っ…!」


「のこと、じゃない?」



なつセレカップルは、私の学校の生徒であれば誰もが知っていて、みんなが憧れるふたり。

ともちゃんには“三好くんと友達になった”と誤魔化して伝えた過去の私。


それでも当ててきたともちゃんは、私に対して軽蔑的な眼差しは送らなかった。


それどころか、嬉しそうに笑った。



「ほら、私の言ったとおりだったね!」


「え…、」


「三好 奈都と出会ったことで…桜乃が前向きに変わった!」



世界にひとつずつ、色が戻っていく。

私という存在が認められるたびに、私の世界は色づいてゆく。



「今まで桜乃が自分から打ち明けてくれたことなんか無かったもん。
いつも隠して、いつも言わなくて、それでも今…言ってくれた」



それが何よりも嬉しい、と。