これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





ここに私なんかが入っていいわけがない。
入る隙間なんかない。

やっぱりたまたま、たまたま都合がいい人間として私が居ただけで。



「お似合い?あたし達のとこですかあ?」


「…うん」


「やーん、うれし~」



味のしないおかず。

噛む気力が出ないから、ぜんぜん進まないお弁当。



「私、やっぱり……教室で食べるね」


「え?ああ…なんか、悪いことしちゃったかなあ。ごめんなさぁ~い」


「…ううん」



邪魔をしちゃいけないから。

なつセレカップルさんと一緒にお昼、だなんて。

全校生徒を敵に回してしまいそう。



「センパイ、」



お弁当を抱えて立ち上がった私に、まさかの呼びかけてくる。

顔を向けることもできず、ただ自分の落ちる影を見つめることしか。



「…気をつけて。階段、危ないから」



こくんと、うなずく。

ひとりで歩くことすら心配されてしまう自分が、すごく情けなかった。


世界は色がないまま、私を置き去りにしたように時間だけが過ぎてゆく───。