それは、なんとなく分かっているからだ。
三好くんはまた───彼女に引き戻されること。
「センパイはあのゴミクズ野郎なんかのことが結局は忘れらんない?」
「…ちが、う」
「だったらもう、泣くなよ」
忘れられないのは勝吾くんのことなんかじゃない。
忘れられないのは、君に強引にも奪われてしまったキスだ。
笑った顔だ、困った顔だ、吹き出してお腹を抱える仕草だ。
ぜんぶぜんぶ、忘れることなんかできそうにない。
だから涙が止まらないの。
「俺はもう、こうやって泣かせたくないんだって」
そうして涙を拭ってくれる手は、いつだって震えているね三好くん。
「夏祭りとプール、どっち行きたい?俺とふたりで」
夏祭りとプール……。
前に電話で私がベラベラと必死に話していたことだ。
「そ、そんなのしたら高田さんだけじゃなく…みんなにバレちゃう、よ」
「いーんだよ全然」
「ダメだよ…、三好くんの本当の彼女は……高田さんだから」



