これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「人は変わるんだ。もし元に戻ったとしても、まったく同じに戻るとは限らない。それはもしかすると……俺のほうがね」


「え…、っ、!」



後頭部が押さえられる。

判断力が鈍い私は、いつもされてから気づくのだ。



「んんっ…!ふっ、…三好くっ、んんっ」



意外と、キスは強引なひと。

そのほかは優しくて優しすぎて怖くなるのに、キスだけは私の意思を聞かずに奪ってくる。



「あ…っ、ゃ、…んん…!」



涙が目尻に溜まる。


うれしくて、しあわせで、くるしくて、せつない。

いま持っている感情ぜんぶを味わわせてくれるような、そんなキス。



「…なんで泣いてんの」


「……っ、止まらない、のっ」


「…俺も止まんないよ」



背中をつうーっと、下から上へとなぞられる。

ぞくぞくっと震える心から身体中。



「みよしくん、みよしくん」



名前だけを呼ばせて、その先の言葉は止めるように何度も重ねてくる。


このまま三好くんが本当に一方的に高田さんを振って、一方的に別れる選択をしたとしても、私は心から喜ぶことはできそうにない。