これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「しっかりしなくちゃ…」



だとしても今日のお味噌汁事件は最悪、法廷闘争になりかねない。


とりあえずは心を改めようと部屋に向かう。


じっとしていることが逆にできなくて、何かしていないと落ち着かなくて。

でも何かをしたらしたで、さっきみたいに大変なことをしてしまう。



─────……キス、された。



私は、三好 奈都と、キスをした。


そこからおかしい。
私のなかの何かが、おかしい。



「あのあと…、どうやって帰ったんだっけ…」



またその記憶がすっぽりと抜け落ちていた。


手を繋いで帰った気がする。

家の近くまで送ってくれたような気もして、次の日から学校にも行けるようになった。


学校では頑張って平然を装っているつもりなのだけど、そこでも聞こえるのはともちゃんの「大丈夫なの桜乃!!」という言葉。


そして三好くんと顔を会わせることが、私のほうができなくなっちゃって。

あの日以来、せめて少しメッセージを送りあったとしても、顔を見ていない。