これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





焦ってスマートフォンを操作してメッセージだけじゃなく電話をかけるけれど、どれも応答ナシ。



「なんで親には連絡すんのに俺にはしないの」



偏っている。

少し抜けているところがあるというか、こだわりは強いんだろうなって強く感じる部分もあって。

でもそれも、彼女の良いところだと俺は思う。


まあ今は困るけど!!



「センパ───…」



もしかしてと思い、俺はゲームセンターに戻った。

さっきよりも大人が増えていて、なにかあったらどうするんだと思いながらも最初に通るクレーンゲームコーナーに。


「イ」と、残った言葉をぽつりと落とした俺の前。



「あれっ、ダメだ…っ、もう1回…!」



あのサイズのクレーンゲームにそこまで熱心になる人間も珍しい。

あれは子供向けというか、わりと簡単に取れるように作られているというのに、その人は何枚も何枚も硬貨を投入していた。


一生懸命バイトしたお金でしょ、センパイ。


そんなに誰かに使って誰かに使っては、結局いまだって損ばっかしてるくせに。



「あっ…!つかんだ…!いって、お願いっ」