『ほんっと余計なお世話。俺たち、もうとっくに付き合ってるけど』
きっといちばん驚いていたのはセレナだろう。
それはもう無理やり。
本当に強引な手口だった。
だとしても俺はどこかでこうなったほうがいいとずっと思っていて、ここで助けられるなら助けたいとも思ったから。
『だからもう、こーいうのやめろ。これ以上俺の彼女を馬鹿にしたら許さないから』
その日から、セレナの世界は変わった。
周りの態度は地球がひっくり返ったように正反対のものとなって。
可愛い、羨ましい、お似合い。
そう言われるたびに、セレナ自身もどんどん変貌を遂げていった。
でもそれだけじゃ満たされなくなった承認欲求も同時に生まれて。
それと反比例するように、まっさらだった愛情が、執着だらけの依存に変わって。
俺が好きなセレナは消えていった───。
「あれ…?いないし…」
それから電話を終えてすぐに、俺はセンパイを待たせていた場所へ走ったものの。
いるはずの存在は姿を忽然(こつぜん)と消していた。



