これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





『わんぱんだ、俺も好きだよ』


『っ!』



その頃の俺も今と性格は違くて、わりと社交的な性格をしていたから。

放課後にひとり残っていたセレナに声をかけたのは俺だった。


わんぱんだ。


彼女のランドセルに付けられているキーホルダーのことをずっと知っていた俺は。

本当は、こうして話してみたかった。



『でもみんなには内緒ね。知られるとたぶん笑われるから。……ほら』



こうしていつもコッソリ隠してるんだ───と、ランドセルの中から同じキャラクターのマスコットを見せる。



『あ、あたしと話すと…三好くんがバイ菌扱いされちゃうよ……』


『バイ菌なんかじゃない。わんぱんだの可愛さが分かる人間のどこがバイ菌なの?
そんなことよりかわいーよね、わんぱんだ』


『っ、……うん』



そこから毎日のように話すようになった。

でもそうすると、逆にもっとセレナは女子たちから嫌われてしまう。



『ごめんセレナ…。俺のせいでまた女子に悪口言われてた』


『へ、平気だよ…、あたしにはなつくんが居てくれればいいから』