これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





音を発したのは三好くんのスマートフォンで、確認した彼は雰囲気で伝えてきた。

ルール2が、ここでも痛いくらいに主張してくる。



「ここ危ないな…、そっちのベンチに座ってて。とりあえず安全な場所にいてよ、すぐ戻るから」


「…うん」



夢から覚めてしまったみたい。

ちゃんと理由があって、私も了承してお互いに利害の一致はしたはずなのに。


ただ、私のほうが失敗に終わってしまっただけ。


それだけで、“私たちの関係ってなんだろうね”と、納得がいく答えが出るまで誰かに問い詰めたくなった。



「都合のいい女……、一番には、なれない…」



ぽつり、ぽつり。

無意識にもつぶやいてしまう。



「……くるしい」



でも、ちがう。

ぜんぜん、まったく、ちがう。


勝吾くんのときも同じ気持ちを感じていたはずなのに、その度合いが比べ物にならない。



「っ、」



居ても立ってもいられなくなった私は、ベンチから立ち上がって地面を蹴った───。