これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





このくらいのサイズなら取れそう…じゃない?

向こうにあるフィギュアとか、大きなぬいぐるみはレベルが高そうだけど、これなら私でも挑戦してみる価値はありそうだ。



「やってみる?」


「…いや、いーよ。もう変わったし」



ふと向けた瞬間に映った横顔は、どこか寂しそうだった。

なにを思っているんだろう。
なにが、だれが、変わっちゃったんだろう。



「そろそろ帰ろ」



さっきまでと同じ手の温もりが、まったく同じに感じることはできなかった。

安心するものじゃなく、今はちょっとだけ頼りないもの。


ゲームセンターを出たところで地面に模様付けされた三好くんの影は、すごく小さく見えた。


こういうときに気の利かせた言葉をかけてあげることが、なぜか私にはできない。

できない、わからない、考えれば考えるほど、口を閉じてしまう。



「みっ、三好く───」



ピリリリリーーーー。

そしてまた、私の言葉は消されてしまう。