これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





あの日のレーシングゲーム。

今日は対戦モードではなく、ドライブモード。


私が見つめる画面には三好くんが運転する車も映っていて、三好くんのほうの画面には私の車も映っている。


そこでも私のスピードに合わせてくれちゃうのだから、どこまで優しいのって言いたくなる。



「───あ。わんぱんだ」


「えっ?」



プリクラを撮って、レーシングゲームを楽しんで。

ぐるっと店内を見て回って、いろんなゲームを満喫して。


最終的にたどり着いたクレーンゲームコーナーにて、足を止めたのは三好くんだった。



「わんぱんだ…?」


「…これ、俺昔ハマってて」



それは手持ちサイズの小さなマスコット。

“わんぱんだ”という名のとおり、犬とパンダが可愛らしくゆるーく組み合わさったキャラクターみたいで。


女の子が好むようなものに見えるからこそ、余計に三好くんの言葉が珍しく聞こえた。



「小学生まで好きだったんだよね。まあ、引かれるから周りにはもちろん秘密にしてたんだけど」


「そうなんだ…」