これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「あっ、ううん…!たまたま目に入っただけで…!それに顔もひどいから…」



って、言ったはずなのに。

くいっと手を引かれてしまうと、身体は意識と反対方向に移動する。



「み、三好くんは…プリクラとか撮るの?」


「…最近は全然だけど。女の子って好きでしょ」



ああ、私と同じパターンだ。

最初の頃は高田さんと撮っていたんだろう。



「でも今ってスマホ加工も変わらないから、いつかプリクラそのものが無くなるんじゃないのって俺は思う」



私がバッグから財布を出しているあいだに、すでにお金を投入し終わっていた三好くん。



「だから逆に思い出になりそうじゃん?ほら、好きなの選んで」



タッチパネル画面が切り替わる。

アナウンスから聞こえる陽気な声にすら追いつけない者、ここにひとり。



「わっ、まってお金っ、お金…!」


「明日は学校来てくれますよーにって、今の400円に俺は懸けたから」


「……、」



ほんとうは、気力がない、ってだけじゃなかった。


気力なんか実際はどうにでもなる。

行ってしまえばともちゃんだっているし、気力はあとから付いてくる。