これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





「どーいうこと?」


「だってゲーム買ってくれるから。そーいう意味で繋いでおきたいだろ」


「うわー、ゴミ」


「はははっ、なんでだよ。最初は好きだったけど、女としてはつまんねえんだもん」



つ、ま、ん、ね、え。

頭のなか、その言葉だけで埋め尽くされた。



「自分から服脱いで乗っかってくるんだぜ?ドン引きじゃね?」


「まじ?意外すぎだろそれ。一ノ瀬さんってめっちゃ大人しそうなのに」


「いや、ワケわかんねーの俺も。最初はキスすら全然させてくれなかったのに、今度は急にそんなことしてきて意味不明だし。
だからなんかもう、ゲームのために付き合ってる感じってか。そう思うと女として見るとかマジ無理」



咄嗟に逃げてしまったのは、その続きを聞きたくなかったから、じゃない。

会話の内容が恐ろしかったから、でもない。


そんなことを言っていた彼氏と、一瞬、目が合ったような気がしたからだ。



「は…っ、はあ……っ」



だれに追われているわけでもないのに、教室に戻ってスクールバッグを手にしてから、また飛び出す。