これが恋だなんて、知らなかったんだよ。





トンっと壁に両手をつかれて、囲われた。

に、逃げるって……。
この状況から逃げるとしたら……。



「…センパイ。それぜったいアウト」



横はダメ、前もダメ、後ろもダメと。

だったらこれしかない───そう、ストンっと、しゃがんだ私。


三好くんはおもむろに膝を曲げると、同じ高さになった。


そうするともっと距離を詰められてしまうオチが待っているなんて。



「あ……、むり、だ」


「そう無理なの。だからあまり男をナメないほうがいーよ」



ナメては、ないんだけどな…。


三好くんと私はギリギリを走っているけれど、結局は越えることはできない関係だから。

たぶん、ちょっとだけ、そこに安心してる部分があって。


だとしても彼がいま教えてくれていることは、そういうことじゃなくて。

三好くん以外、ってところなんだろう。



「そんなカッコで、シャンプーの匂いさせて、親がいない家にどうぞ上がってくださいってさ。
それ男にはイコールでなんて伝わるか知ってる?」


「えっと……わ、からない…」


「どうぞ私を食べてください、だから」