アネモネ


やはり、
透子は私が生きて帰った事を知っていたのだ。

「何故、そんな余計な事を、、」

「辰哉、お前は女子の気持ちが全くわかっとらんの
わしが話さんでも、透子さんはお前を待ち続けていたさ、生きていようがいまいが関係ない」

「どうしてそんな事が、母上にわかるんですか?」

「お前は、透子さんの容姿だけに惚れたわけではなかろうに、それは透子さんとて同じことじゃ、
どんな姿になろうと帰ってきて欲しいと願うは当然、せめてお前が生きている事だけでもわかれば、透子さんの生きる糧になるとは思わんか」

「・・・・」



「いいか辰哉、
 本当に人を好きになれば、
 想いは己の命が尽きるまで続く、

 わしとて、いつかあの人がひょっこり現れて、
 長い事待たせたと笑って再会できる日を、
 今でも待ち望んでいるんだから、、」


                 完