僕のキャパシティイズオーバー


「あ。速水くん」

速水先輩が僕たちの惨状を見て顔を青くした。

「こら!何してんだお前ら!!」

速水先輩は僕を二人から救出して、抱きしめてかばう。

速水先輩のハグは完全に妹を守るお兄ちゃんのそれ。


た、助かった〜!!


「ハグの練習だってさ」

旭がしれっと言って、速水先輩がギョッとする。

「は、ハグの練習……!?何言ってんだよ!睦はお前らのおもちゃじゃねーんだぞ!!」

「俺じゃないよ、元々いじめてたのは奏多」

「いじめてねぇ、練習してただけだ」

「旭も奏多もほどほどにしろっていつも言ってるだろ!」

速水先輩はそう言って僕を自分の背中側に引き寄せる。

「そんなこと言ってずるいよ速水くん、いっつも睦連れてっちゃって」

「当たり前だろ、睦は俺の仕事引き継ぐのに忙しいんだから!睦、ちょっと打ち合わせ行こうか。あ、お前らはストレッチ入念にな!?腹減っても菓子は食うなよ!そんで仲良くな!」

「「……はーい」」

ちょっと不服そうに返事をする2人を残し、速水先輩は楽屋から僕を連れ出した。