「泥棒!?」


「誰が泥棒だ。失礼にも程があるだろ」


がばっと布団から飛び起きると、類くんが寝ていたはずの隣に知らない人が立っていた。


「えっ!?だ、誰!?」


頭が混乱するなかそう尋ねると、見知らぬ男子は肩をすくめた。


「やっぱり何も聞かされてなかったのかよ…」


「えっと…何の話かさっぱり分からないんです。ごめんなさい」


記憶喪失にでもなっちゃったのかな…申し訳ないという気持ちを込めて立ち上がる。相手と目線を揃えてきちんと謝った。


「覚えていないのか」


さっきよりも低くなった声での問いに正直に頷く。


「そうか…」


見知らぬ男子はそう言うと、グッと私に顔を近づけた。