「中学を出てからずっと働いてきました。家庭を築きたくないわけじゃありません。家族がずっと欲しかった……」
今まで誰にも告げたことのない想い。
「寂しかった。愛されて愛せる存在が欲しいと、今でも思っています。けれど、生計の基盤を持てなくなることが怖くて仕方ないんです……!」
突然奪われた幸せ。
慎ましいけれど満たされた暮らしはある日、あっけなく消えた。
世界がいきなり敵に回った恐怖は、慎吾に裏切られたと想い込んだ感情よりも強く里穂の体に染み付いている。
慎吾は顎に手を当てて考え込んだ。
「なるほど……、岡安さんのおっしゃることも一理あります」
思わぬ肯定に、里穂は目の前の男を見つめた。
「エスタークホテルチェーンが潰れる可能性も、あなたの恋人が無職になることもあり得るわけですし」
「そんなっ、」
ことを考えていたわけじゃないと、慌てて訂正しようとする。
「そういった事態に陥らないよう。スタッフを路頭に迷わすことがないよう、隠岐や私が努力しているわけですが」
慎吾はふてぶてしい顔で笑うと、真面目な表情に戻った。
今まで誰にも告げたことのない想い。
「寂しかった。愛されて愛せる存在が欲しいと、今でも思っています。けれど、生計の基盤を持てなくなることが怖くて仕方ないんです……!」
突然奪われた幸せ。
慎ましいけれど満たされた暮らしはある日、あっけなく消えた。
世界がいきなり敵に回った恐怖は、慎吾に裏切られたと想い込んだ感情よりも強く里穂の体に染み付いている。
慎吾は顎に手を当てて考え込んだ。
「なるほど……、岡安さんのおっしゃることも一理あります」
思わぬ肯定に、里穂は目の前の男を見つめた。
「エスタークホテルチェーンが潰れる可能性も、あなたの恋人が無職になることもあり得るわけですし」
「そんなっ、」
ことを考えていたわけじゃないと、慌てて訂正しようとする。
「そういった事態に陥らないよう。スタッフを路頭に迷わすことがないよう、隠岐や私が努力しているわけですが」
慎吾はふてぶてしい顔で笑うと、真面目な表情に戻った。



