インターフォンが鳴ったかと思うと、慎吾が注文した品物がどしどし届きはじめた。

 トイレタリー、サニタリーに洗面用具。 
 そして服の山。見間違えでなければレディス物ばかりである。

 慎吾は里穂に当ててみては己のセンスについて自画自賛し、タグを切ってしまう。
 みるみるうちに返品不可の山ができてしまった。

「慎吾?」

 彼をジトっとにらんでいる自覚がある。

「さっき『一週間分のローテーション』って言ってなかった?」

 どう考えても多すぎる。

「合ってるよ。トップスにインナー。ワンピースに、セットアップ。ボトムはスカートとパンツ、それぞれ七枚分ずつだ。ルームウエアーにあと雨用の靴やコートも必要だろ?」

 しれっと言われて、開いた口が塞がらない。

「これでも『セクシーなランジェリーは里穂が俺に堕ちてからのお楽しみだ、我慢だ』と勘弁してやったんだからな。感謝しろよ?」

 威張られてしまう。
 ……しかも、不穏な言葉のおまけつき。

「里穂は甘えることに慣れてないよな。だから今はしょうがない。だけど、俺はしぶといんだ。里穂が安心して甘えられるようになるまでやめないよ」

 見透かされたように言われてしまった。