あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜

 慎里を湯冷めさせないよう、かつ動き出さないうちに水気をとりベビーパウダーをはたく。

 夜だけはおむつを履かせて肌着をつけさせる。

 風呂場ではしゃいだのだろう、ぷい〜とご機嫌な時の声を発している慎里を着替えさせると同時に、慎吾が出てきた。

 湯気の中に混じった、ソープの匂い。
 目の端に見える、裸の二本の足。
 里穂は慎里を抱きしめながら、後ろを向く。

「ごめ、んねっ、すぐに出るから……」

 しどろもどろに言い訳した。なのに、足が痺れてうまく立てない。

 ドキドキしすぎて、自分の心臓の音に慎里が目覚めてしまったらどうしようと考える。

「里穂も入っておいで」

 とん、と彼女をよけさせて普通に出てくる。

 ポタポタと垂れる雫、慎吾がかがむ気配。
 キスされる、と目をぎゅっと閉じた。

 あぶう、などと言ってる慎里が(さら)われて行く。

「まだ寝かせなくていいだろ? こいつと湯ざまししてるよ」

 脱衣所のドアがしまってから呆然と呟く。

「あの色気はなんなの……」