あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜

——里穂はちらっと、子供二人を見た。可愛い寝息を立てて、二人とも夢の中だ。

 妻の考えたことがわかったらしく、慎吾は艶な笑みを浮かべながらも真剣な瞳で、里穂の唇に指を当てた。

「声出さないでいられる?」

 赤くなりながらも、こくんとうなずく。
 正直に言えば慎吾に触れられただけで体も心も歓喜してしまうのだけど、頑張るしかない。

 潤んだ瞳で見上げる彼女を見て、どう思ったのか。

「そのうち、ベビーモニターでも買うかな」

 慎吾は呟きながら里穂を抱き上げ、ソファに寝かせた。

 ――後日。
 写真部が撮影してくれたどの写真にも、喜びが溢れており、幸せに輝いている二人が映っていた。

 余談ではあるが、二人をモデルにしたポスターは、その年の広告賞を総なめにした。

 慎里と季穂も混じった『家族婚』バージョンも撮影されており、撮影班から贈られたアルバムは二つの深沢家の家宝となった。


――了――