「さて、頃はいいかな」
会場のあちこちに控えている宴会部のスタッフに目を走らせれば微かにうなずいてくる。
「里穂、おいで」
彼女の腰に手を回し慎吾は中央に進みでた。
彼らの動きに合わせて、ざわめきが波を引くようにしずまっていく。
慎吾は里穂に微笑みかけると一旦手を離し、ドレスの試着室のように里穂の前にひざまづいた。
「麗しきエルフよ。モンスター・フライマンの愛を受け取り給え」
慎吾が里穂の手をとり、その上に額ずけばいやああと悲鳴が上がる。
彼が愛に溢れた双眸で見上げてきたので、里穂は真っ赤になってしまった。
せっかくエルフみたいなセリフを考えて何回も練習してきたのに、恋人の色気にあてられて、吹っ飛んでいる。
なにか言わなければ。
『愛してます』でも『私の愛も受け取って』でも、なんでもいい。
ようやく紡ぎ出した言葉は。
「…………幾、久しく。お願いします」
蚊の鳴くような声ではあったが、注目されていたらしい。
うわあああと今度は歓声やピュイイイイイ、という口笛が響く。
慎吾は妻の左手の薬指に口付けると立ち上がり、軽々と彼女を抱き上げる。
スタッフが「お幸せに!」などと囃したてながらドアを開け、二人が通り過ぎるとすぐに締めきった。
会場のあちこちに控えている宴会部のスタッフに目を走らせれば微かにうなずいてくる。
「里穂、おいで」
彼女の腰に手を回し慎吾は中央に進みでた。
彼らの動きに合わせて、ざわめきが波を引くようにしずまっていく。
慎吾は里穂に微笑みかけると一旦手を離し、ドレスの試着室のように里穂の前にひざまづいた。
「麗しきエルフよ。モンスター・フライマンの愛を受け取り給え」
慎吾が里穂の手をとり、その上に額ずけばいやああと悲鳴が上がる。
彼が愛に溢れた双眸で見上げてきたので、里穂は真っ赤になってしまった。
せっかくエルフみたいなセリフを考えて何回も練習してきたのに、恋人の色気にあてられて、吹っ飛んでいる。
なにか言わなければ。
『愛してます』でも『私の愛も受け取って』でも、なんでもいい。
ようやく紡ぎ出した言葉は。
「…………幾、久しく。お願いします」
蚊の鳴くような声ではあったが、注目されていたらしい。
うわあああと今度は歓声やピュイイイイイ、という口笛が響く。
慎吾は妻の左手の薬指に口付けると立ち上がり、軽々と彼女を抱き上げる。
スタッフが「お幸せに!」などと囃したてながらドアを開け、二人が通り過ぎるとすぐに締めきった。



