「……私」

 おずおずと口を開いた。

「胸が小さいのがコンプレックスで」

 初彼のときは寄せて吊り上げたうえに、パッドを沢山盛っていた。
 初めてのセックスの時にバレて振られた。

 正直に言えば、彼のことを嫌いではないけれど好きでもなく、求められたのが嬉しくて付き合っただけ。

 振られた時は悲しさより、小さい胸を引け目に感じて卑屈になる自分がほとほと嫌になった。

 ありのままでいようと思った。

 でも、誰かに恋したい。誰かと、家族になりたい。
 だから普段は慎ましい暮らしをしているのに、このパーティには無理をして参加した。

「男の格好をしていても、女の私を誰かに見つけてほしいと思ってたの」

 シンゴの双眸に欲望が灯る。

「俺がリホを見つけた」
「ん」

 独りぼっちの彼女をシンゴだけが見つけてくれた。

「俺達は互いを見つけたんだ。ねえ、リホ。俺を君の恋人にして」
「ん」

 二人の唇が合わさった。