あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜

「意味が違うよ。俺の体にすっぽりと隠れるようなこんな小さな体で、息子を一人で育ててくれて、たくましいなと思っただけだ」

 彼は心底愛おしいという表情だった。

 それでも里穂は男の言うことが信じられなくて、頬をふくらませた。

 ……里穂が壊してしまった雰囲気を、慎吾が一瞬にしてセクシーに戻してしまったこと。

 加えて、慎吾を上目遣いににらんでいる視線や尖らせた唇。男を煽っていることに、自身では気づかない。

「けど、俺を想って体を磨いてたなんてけなげなことを言われたら、里穂の恋人としては徹底的に可愛いがってやらないとな?」

 慎吾が獰猛なものを目に宿し、彼女の抵抗をものともせずバスローブのベルトを解いた。
 里穂の下着姿をたっぷりと目で味わう。

「……や……」

 男の視線にジリジリと灼かれていくような気がして、たまらず里穂は目をそらし体をくねらせた。
 ごくりと、慎吾の喉が動く。

「俺にとって、里穂の体ほど美しくて欲情を誘うものはない」

 慎吾は掠れた声で里穂に告げると、ラッピングを丁寧に解くようにレースとリボンから彼女の肌をあらわにしていく。

 里穂を生まれたときの姿にすると、慎吾は彼女に馬乗りになったままま服を脱ぎ捨てた。
 逞しい裸体に間接照明の影がまとわりつき、彫刻のようだ。

 里穂はうっとりと見上げた。

 今からこの人に抱かれる。
 一つになった至福をもう一度味わえるのだ。