あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜

 実際、慎吾が連絡を入れるや、彼の母は医者を連れて飛んできてくれた。

 里穂を甲斐甲斐しく看病してくれながら、初孫の慎里の可愛さにメロメロになっていた。
 写メを撮りまくって夫に送信しては、『俺も里穂さんと孫を可愛がりたい!』と絶叫させていた。

「すぐにおわびの連絡をしないとっ」

 里穂がパニックしかけているのに、ますます力を込めて抱きしめられてしまった。

「大丈夫」

 自信たっぷりに言われる。

『頑丈な息子じゃなくて、可愛い娘を看病してみたかったのー! 夢が叶ったし慎里ちゃん可愛いし、最高の休日だったわ』

 むしろ、感謝されたと。

 里穂が顔をクシャクシャに歪める。

 母を心配そうに見守っていた慎里ももらい泣きしかけ、大きく息を吸い込んだ絶妙のタイミングで慎吾が声をかける。

「慎里、大丈夫。お母さんは感動してるだけだから」

 父親の穏やかな言葉に安心したらしく慎里はうあ、と返事しながら里穂の頭を撫でた。