あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜

「そんなにっ? 慎里は!」

 里穂は慌てて起きあがろうとするが、慎吾に上から抑えこまれていて動けない。

「慎里は君の胸にしがみついて離れようとしなかった。くそ、息子とはいえ羨ましかった」

 慎吾がチョンと頬をつついた刺激で、慎里が目を覚ましたようだ。

「よし、慎里も起きるか」

 慎吾は慎里を肩に担ぎ上げると、里穂まで持ち上げてしまった。
 彼女も縦抱きである。
 慎里が一緒とばかりにうきゃあと歓声をあげた。

「慎吾、私歩けるから……っ」

 オロオロと言えば、めっとにらまれた。

「だめ。ずっと熱が高かったし、俺がいない時にはお袋に付き添ってもらってたんだぞ」

「慎吾のお母さんにっ?」

 里穂の声が悲鳴じみていたので、慎里がまんまるい目で母を見つめた。

「そんな……っ」

 うろたえた里穂に慎吾がなだめるようにキスをする。

「お袋、張り切って君の世話をしてたよ」