……エスタークホテルチェーンのCEOの首席秘書である彼には様々な招待状が届く。
 
 慎吾は戸黒と後ろ盾の県会議員が所属している派閥のボス、某政党の政調会長の政治献金パーティに的を絞っていた。

「戸黒もなんとかツテを頼って潜りこんでくるだろう」

 政調会長の秘書からは、慎吾個人宛の招待状が届いている。とっくに招待に参加の返事済みだ。

「パーティの前に花火を仕込んでおける」

 慎吾は悪い笑みを浮かべた。

 自分と政調会長の秘書、そしてQ市の市議会議員、『遊びの王国』の経営者が談笑しているのを見つけたら、戸黒はどう思うだろうか。

「慌てて県会議員をひき連れて俺達の会話に割り込んでくる。R市にエスタークや『遊びの王国』を誘致をし始める」

 慎吾に脅しはかけてこないだろうが、下に見ている『遊びの王国』の経営者には強圧をかけてくる。

 身の程しらずにも慎吾へ圧迫してくるようなら、それこそ政調会長の秘書の顔が見ものである。

「だが、そこでQ市の議員と経営者が今日のSNSの動画を秘書と県会議員に見せたら」

 トカゲの尻尾切りが始まる。