陣痛が起きてから数時間後、あの日のように分娩室にラッパのような大きな声が響く。産婦人科医が素早く臍の緒を切り、助産師が笑顔を浮かべて赤ちゃんを抱き上げた。

「お、おめでとうございます。元気な女の子ですよ」

助産師が赤ちゃんの顔を見せる。すると、疲れ切った様子の母親と父親の目が大きく見開かれ、その顔に笑みが浮かぶ。

「可愛い!あの子の時と大違い!」

「天使みたいだ!あのエイリアンとは違う!」

産まれたばかりの赤ちゃんを、父親と母親は「可愛い」と何度も言い、小さな手や頭に触れていく。

その様子を、産婦人科医と助産師は戸惑ったような、冷めたような、怒りを含んでいるような、祝福とは真逆の表情で見ていた。



2001年 12月25日

クリスマスといえば、子どもにとって大切なイベントの一つである。枕元に置かれたプレゼントを開ける瞬間が、子どもにとって楽しみの一つでもあるのだ。

「お母さん、お父さん、私のプレゼントは?」