「うん。大丈夫・・・だと思う」 「すまなかった。だけどどうしてそんな事を?」 「そんな事って?」 「どうして芝生に押し付けられたり、キスされたりしたんだ?」 兄は私に手を差し伸べながら訊いた。 兄に対して恐怖は感じなかったが、また間違って叩かれるのは嫌だった。 私は少し怯えた振りをしながら差し伸べられた手を掴んだ。 そして、今度は言葉を選ぶようにしてゆっくりと答えた。