ある日、庭のベンチに座って数式を教えて貰っていたが、どうしても私は優哉の説明ではその数式の意味を理解できないことがあった。 今、思うと、おそらく優哉も本当はその数式の意味を理解していなかったのではないかと思う。 「数式はただの記号だと思えばいい。一つ一つの意味を深く考えていたらきりがないからね。いちいち全ての意味を知っていなければいけない必要はないんだよ」 優哉が私に言った。